代理出産 母子と認めず 最高裁決定 本人卵子でも 向井さん敗訴確定「民法の想定外」


読売新聞 2007年3月24日付朝刊

  タレントの向井亜紀さん(42)夫妻が米国の女性に代理出産を依頼して生まれた双子の男児(3)について、夫婦を両親とする出生届けを東京都品川区が受理 しなかったことの是非が問われた裁判で、最高裁第2小法廷は23日、受理を区に命じた東京高裁決定を破棄し、出生届受理は認められないとする決定をした。 古田佑紀裁判長は「現行の民法では、出生した子の母は懐胎・出生した女性と解さざるを得ず、代理出産で卵子を提供した女性との間に母子関係は認められな い」とする初判断を示した。向井さん夫婦の敗訴が確定した。

 日本で子供を生むことが出来ない母親が、何とか子供を授かる為に代理出産という方法で子供を授かろうとする。しかし後の親権問題で支障が出てくる懸念を懐く。
 代理出産に関しては、学会などが禁止方針を打ち出している。素人思考では、「子供のことを思えば母として認めればいいではないか」と日本の法律を悪者扱してしまうが、世界の代理出産の事例をいろいろ精査してみると、そうは簡単にいかないようである。
 実際に代理出産が行われている国では、代理出産した女性が引渡しを拒絶したり、依頼者が引き取りを拒否するなど様々な問題が発生している。
 ちなみに海外では、ドイツ・フランスは「女性を出産の道具にする」などの理由で、代理出産を禁止。特にドイツでは、代理出産の仲介には、罰金刑が適用される。
 英国では、営利目的のあっせんと広告は違法だが、裁判所が関与した無償の善意に基づくケースであれば認められる。
 米国では、全国統一の法律は無くネバダ、フロリダなど10州で代理出産が認められているが、うち4週では有償契約を禁止。全面禁止にしているのは9州 で、認められている州の病院に不妊治療を受けるカップルが流れる傾向がある。年間1000件前後の代理出産が行われているとされる。これらの事例から、日 本でも代理出産に関する法整備が必要と言える。古田裁判長と津野裁判官は補足意見で、「なんら法制度が整備されていない状況では、卵子を提供した女性を母 とするのに躊躇せざるを得ない」と述べた。


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